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2020年8月

2020年は雪舟生誕600年!大内氏&雪舟ゆかりの史跡巡り~雲谷庵~

画聖・雪舟が、山口滞在時にアトリエとして使っていたといわれるのが「雲谷庵」です。五重塔を望む七尾山山麓にあったといわれ、その跡地とされる場所は山口市指定史跡となっています。雪舟の代表作の一つ「四季山水図」はこの雲谷庵にて描かれたとも。

雪舟没後、時は流れ大内氏は滅亡。代わって山口を治めた毛利氏の庇護を受けたのが、雪舟の画法を研究し「雲谷派」の開祖となった雲谷等顔です。雲谷等顔は、毛利輝元によって雪舟の画風の復興を命じられ、雲谷庵と「四季山水図」を与えられることとなります。

以降、その画風は子孫に受け継がれ、「雲谷派」は明治時代まで続くものの廃絶。郷土史家・近藤清石が中心となり、1884(明治17)年に現在の建物が再建されました。


▲「山口市菜香亭」の国道9号を挟んで反対側。交差点から50mほど入ったところに駐車場があります

 

雲谷庵内には、自由に入ることができ、雪舟に関連した資料などが閲覧できるようになっています。静かに佇んで、雪舟がいかにして「四季山水図」を手がけたか、空想にひたってみませんか?

 

▲雲谷庵は坂の小道の先

 

▲雲谷庵は基本的には無人のアトリエ施設として開放されています。入館も無料でどなたでもご自由に入室、観覧していただくことが出来ますが、拝観マナーを守り次の方への心配りのあるクリーンなご利用をお願いします。


▲内部には雪舟を紹介するパネルなどがあり、床の間の掛け軸は雪舟本人のもの


▲敷地内には五重塔を眺められる小さな展望台も

 

▲雲台からの風景。当時は、瑠璃光寺ではなく大内義弘の菩提寺「香積寺(こうしゃくじ)」がありました

「雲谷庵」や「瑠璃光寺」のある界隈にも知る人ぞ知る素敵なお店が点在。次回の記事では、近隣エリアのおすすめスポットを紹介します。(つづく)

 

【雲谷庵】
開放時間/9:00~17:00 年中無休 駐車・入館無料
山口市天花1丁目12番10号
「狐の足あと」から車で約10分

★2020年は、1420年の雪舟生誕年から数えてちょうど600年という節目!
山口県立美術館では9月15日(火)から10月18日(日)まで、「生誕600年記念 雪舟と狩野派」が開催されます。代表作の国宝「四季山水図」(防府市の毛利博物館収蔵)など、
国宝や重文クラスの数々の作品にお目にかかれる滅多にないチャンスです!

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