YCAM(ワイカム)で、最先端の「メディアアート」を体験!
今回は山口市が世界に誇る「山口情報芸術センター」通称YCAM(ワイカム)をご紹介します。
湯田温泉観光案内所で自転車を借りることができるので、湯田温泉から自転車でいってきました。YCAMまでは約8分の道のりです。
■YCAMで体験できる「メディアアート」って?
YCAM で体験できるのはコンピューターや映像などを使い五感で体感できる最先端の「メディアアート」。 最先端のメディアアートが身近に体験できるのは国内では東京の「ICC」、「仙台メディアテーク」、そしてここYCAMの3か所くらいしかないんですよ!YCAMは企画、制作、展示までを一貫して行っているので、「Perfume」の演出を手掛ける真鍋大度氏や明和電機との共作で有名なクワクボリョウタ氏、坂本龍一氏など、世界的にも有名なアーティストがYCAMで作品を作ったりしてるんです。すごいでしょー。
そんなYCAMに今回は、「JackInワークショップシリーズ」を体験しに行ってきました。
■複数の人と「目(視点)」を共有する「JackIn(ジャックイン)」
JackInワークショップの紹介動画はこちら。
「JackInワークショップ」では、参加者が簡易型のカメラ付きヘッドマウントディスプレイを装着して、他の参加者の「目(視点)」を共有する「ジャックイン」状態、つまり「他の人に見えているものが、自分にも見える状態」になった時に、どんな新しい発見があるのかを体験する試みです。
ヘッドマウントディスプレイを装着すると、自分以外の視点も見えるようになります。参加者4人全員の視点を共有するジャックイン状態は、自分の視点がどれなのかはわかるのですが、慣れるまで4つの画面に目移りしてしまい、歩くことさえも、ひと苦労。慣れればぎこちなさはあるものの、自在に動くことができます。でもやっぱり普段とは違う視界。集中力が必要なのでヘッドマウントディスプレイを外すとちょっとホッとします。
■4人全員の視点を共有した状態で「うろ覚えお絵かき」にみんなで挑戦。
まず「うろ覚えお絵かき」に挑戦です。お題は「青信号の人」「野口英世」「キリン」などなど。馴染みのあるテーマですが、はっきりと覚えている人は少ないでしょう。どこまで正確に描けるか、チャレンジです。
青信号の人は前向きだったかな?横向きだったかな?と思っていると、他の人の視点も見えているので、ついついカンニング。走ってたかな?歩いてたかな?とわからなくなると、またまたカンニング。そんなふうに絵を完成させました。
そしてみんなで品評会です。実は参加者一人ひとりの視点も、リアルタイムで追跡できる仕組みになっています。だから、誰がどんなふうにカンニングしているのかバレバレになるんです。この実験で 4人全員の視点を共有した状態のときに「自信がない場合は、目が泳ぐ」ことが実証されました。
■スリル満点!「視点交換鬼ごっこ」
次は、いよいよ本日のメインイベント「視点交換鬼ごっこ」です。4人全員の視点を共有した状態で鬼ごっこをするわけですから、追いかける鬼の視点は当然、逃げる側にも見えています。実際、鬼から追いつめられると、鬼がどんどん迫っているのが見えてしまいますから、ドキドキして必死に逃げ惑ってしまいました。鬼として追いかけるときも、相手の位置を確認し裏をかきながら追いつめるなど頭脳戦としても楽しめます。印象的だったのは、子供のほうが、待ち伏せをしたり、壁にむかって隠れてどこにいるかわからないようにしたりと4人全員の視点を共有した状態への適応が早かったこと。とっても感心させられました。イベントを鑑賞している観客も「鬼が近くにいるよ!」「逃げてー」など盛んに応援して大いに盛り上がりましたよ!
笠原先生は、「100人でジャックインしたときに、他人の視覚を自分の視覚と感じるようになったら知覚が発達して、沢山の目を持つトンボのような超知覚を手に入れることができるかもしれませんね。」と、メディアアートが私たちの生活にもたらす可能性について語ってくださいました。菅沼先生は、「世界でもほとんどの人が体験したことのない視点交換をYCAMではワークショップとして体験してもらっています」とお話されていました。とっても貴重な体験がYCAMではできるんですよ!
YCAMでは、さまざまなイベントやワークショップが展開されています。湯田温泉にお泊りの際は、YCAMを是非訪ねてみてください!今後のイベントはこちらでチェックできますよ。(ワークショップの参加は事前にメールによるお申込みが必要な場合があります。詳しくはそれぞれのイベント・ワークショップのページで確認してくださいね。)