いいトコ、あります。狐の足あとブログ

2020年7月

2020年は雪舟生誕600年!大内氏&雪舟ゆかりの史跡巡り~常栄寺②~

 

常栄寺の雪舟庭は紅葉の名所として知られていますが、いつの季節に訪れても、その幽玄な美を堪能することができます。

ちなみに、お参りする前に本堂正面の「南溟庭(なんめいてい)」も要チェックです。
築庭されたのは1968(昭和43)年で、雪舟の時代から考えると“つい最近”。築庭に当たって、「雪舟庭よりも下手に、それでいて素晴らしいものを」というやりとりがあったのだとか、案内板で紹介されているエピソード含めてご注目ください。

 

▲本堂の表にある「南溟庭」

お参りした後には須弥壇裏のお部屋へ回ってみましょう。
室内、そして本堂外周の廊下より、雪舟庭を眼前に臨むことができます。

 

▲雨の日は本堂の中からガラス戸越しに見る光景もおすすめ。緑が際立ちます

雪舟庭は紅葉の季節はもちろん、温暖化でなかなかお目にかかれなくなりましたが、
雪が降れば「水墨画」そのものの光景が広がり、新緑の季節はしっとりと雨に濡れた光景が見事です。

 

▲山裾の静かな空間に開けた庭園。下界と隔絶された静かな雰囲気がたまりません

雪舟庭は回遊式の庭園となっていて、外周にはぐるりと回遊路が整備されています。しっかりと高低差があり、いろいろな角度から美しい庭が堪能できます。

 

▲オススメスポットは、池の東側の東屋付近。小高い位置にあり、対岸の紅葉がよく見えます

 

▲東屋付近からの眺め(紅葉シーズン)


次回以降は、雪舟がアトリエとして使ったとされる「雲谷庵」跡や「瑠璃光寺五重塔」界隈について紹介します。お楽しみに!

 

 


【常栄寺】
山口市宮野下2001-1
TEL 083-922-2272

拝観料:大人300円・中高校生200円・小学生以下無料
拝観時間 8:00~17:00(11~3月は16:30まで)

2020年は雪舟生誕600年!大内氏&雪舟ゆかりの史跡巡り~常栄寺①~

 

画聖・雪舟と言えば水墨画。

そして、山口市民にとってはゆかりの深い身近な歴史上の人物の一人です。2020年は、1420年の雪舟生誕年から数えてちょうど600年という節目。山口県立美術館では9月15日(火)から10月18日(日)まで、「生誕600年記念 雪舟と狩野派」が開催されます。

代表作の国宝「四季山水図」(防府市の毛利博物館収蔵)など、国宝や重文クラスの数々の作品にお目にかかれる滅多にないチャンスです!

そして、展覧会と併せて、美術館近隣に点在する雪舟関連の史跡めぐりは絶対にオススメ!雪舟に感情移入することで、作品の世界観をより堪能することができるはず。

 

さて、一番に紹介するのはもちろん「常栄寺」の「雪舟庭」。雪舟は国内で複数箇所の築庭に携わっており、中でも常栄寺、医光寺(島根県益田市)、萬福寺(同)、旧亀石坊庭園(福岡県添田町英彦山)の庭園は「雪舟四大庭園」と言われています。なお、雪舟を山口へ招いたのは大内教弘(守護大名大内氏28代)とされ、雪舟は、教弘と大内文化醸成への大きな礎を築いた大内政弘(同29代)の庇護を受けました。

▲常栄寺へは「狐の足あと」から車で約10分。

雪舟庭は、政弘の依頼によるものといわれ、現在の常栄寺がある場所にはかつて政弘の別邸がありました。政弘の母の菩提を弔うために1455年に寺となり、当初は妙喜寺、江戸時代初期に妙寿寺、江戸末期に常栄寺へと名を変えます。名称の変遷は、大内氏滅亡後に山口を治めた毛利氏に関わる移転や合寺によるもので、その過程を簡単に表すと別表のとおり。今回は主題が「雪舟」ですので、なぜこのような移転・合寺があったのかは、機会があればまたその時に…。

 

 

雪舟庭は回遊式の庭園となっています。
どんなお庭でどんな楽しみ方があるのか、
次はその見どころについて紹介していきます!

 

 

【常栄寺】
山口市宮野下2001-1
TEL 083-922-2272

拝観料:大人300円・中高校生200円・小学生以下無料
拝観時間 8:00~17:00(11~3月は16:30まで)

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